財団について

会長ご挨拶

会長 松谷 有希雄

当財団の初代会長である故大谷藤郎先生は、公衆衛生分野におけるノーベル賞といわれるWHOのレオン・ベルナール賞を受賞された人です。先生は、病気や障害を持つ人も持たない人も「共に生きる社会」を提唱されました。そしてその実現のためには、在宅ケアが中心となる必要があると述べています。それも、医療、看護、介護、福祉を超えた総合的な在宅サービス、生活サービスが地域に行き渡ることが、人間としての幸せにつながると考え、その実現に努めていました。まだ、ノーマライゼーション、地域包括ケアといった言葉の普及していない頃です。

わが国は、国民皆保険制度の支えもあって、1986年に男女ともに平均寿命世界一の記録を達成しました。少子化の進展と併せ、前例のない速さで超高齢社会を迎えることになった訳です。少子・高齢社会の進展を受けて、2000年には介護保険制度も導入されています。そして、長寿の達成とともに、日常生活に制限のない期間、すなわち健康寿命の延伸が話題となっています。今やこの願いは、多くの人々の願いとなり、「地域」によって支えられる在宅ケア体制の充実が、ますます求められる時代となりました。

在宅ケアへの関心がまだ限られていた30余年前、社会貢献を目指すフランスベッドグループの故池田実 会長 並びに 池田茂 社長の考えに、先駆的な活動に取り組んでいた方々が共鳴し、困難を乗り越えて財団が設立されました。発足以来、財団は、在宅ケアの充実に向けた研究・事業・ボランティア活動の助成、また在宅ケア専門職の各地における研修事業の実施など、着実に活動を続けてまいりました。こうして「共に生きる社会」に向け固有の実績を積んできたことを、何よりも誇りにしたいと自負しています。

今後とも、充実した在宅ケアに支えられた、人々の豊かな生活の実現を目指し、財団の総力をあげて取り組んでまいります。みなさまからの益々のご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。

令和3年4月

公益財団法人 フランスベッド・メディカルホームケア研究・助成財団

代表理事 会長 松谷 有希雄